パソコンによる大学図書館向き貸出システムの開発概要と開発の背景
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概要
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パソコンによる大学図書館向きの貸出システムを開発したので報告する。昭和60年4月より中央館で,61年4月より医学分館で運用を開始した。日常的な貸出・返却等のローカル処理系をパソコンで,利用者カード,図書ラベルの作成,統計処理等のバッチ処理系を学内共同利用の総合情報処理センターの大型計算機システム(以下「ホストシステム」とよぶ)で実現している。従来より日常的な処理で独立制の強い貸出・返却等の業務はオフコン,インテリジェント端末,パソコン等による分散処理方式が望ましいと言われてきた。貸出・返却処理は極端に速くなくてもよいが,常時一定の速さで,閲覧時間にあわせて運用される必要がある。共用の計算機システムではこれらの点が保証されるとは限らないので,オンラインモードで処理する方式は適さない。また,オフコンは高価であり,インテリジェント端末はパソコンに比べて高価であり,依然ホストシステムへの依存性が強いようである。大学図書館では学部,大学院,教官,職員等の身分によって貸出冊数や期間が異なるなど,貸出条件がやや複雑であるので,従来パソコンでは無理と考えられてきた。ところが,最近のパソコン及びDBMS等の進展にはめざましいものがあり,工夫次第では少々貸出条件が複雑でも処理可能となってきたようである。パソコンレベルの貸出システムが小規模図書館を対象に開発されたり,図書館パッケージとして市販されてきているが,大学図書館での貸出条件の設定に汎用性がなく,また貸出冊数に対応できないようである。そのような事由によりパソコンでシステムを新たに開発するに至った。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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