高温性放線菌の細胞壁溶解活性について : (II)Micropolyspora sp. No. 434より得た粗酵素の若干の性質とその生成条件
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概要
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Micropolyspora sp. No. 434の生産する細胞壁溶解酵素(以下溶菌酵素と略す)について, その若干の性質と生成条件を調べた.Candida utilisの生菌態に対して, Micropolyspora sp. No. 434の溶菌酵素は, 調べた各種高温性糸状菌の内で, 最も強力な活性を示した.この溶菌酵素は, 耐熱性を有するものと考えられ, 70℃, 10分間の処理後も, 処理前と同じ活性を示した.酵素活性の最適pH, ならびに各pHにおける酵素の安定性を調べた結果, それぞれ6.0〜8.0ならびに7.0〜8.0であることがわかった.また溶菌酵素の生成は, 炭素源として可溶性澱粉もしくはデキストリンを用いた場合, 50℃, 20時間の培養で最大に達し, その後, 菌体量, 溶菌活性は急激に低下した.粗酵素の基質特異性を調べた結果protease, β-1,3-glucanaseの存在を確認した.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1972-06-25
著者
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