トドマツ人工林での放牧
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概要
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この研究は林業と農業とが共存できる土地利用技術を求めて, トドマツ人工林での家畜放牧の可能性を技術面から検討したもので, 植栽後14年間毎年放牧を繰り返し, 林木の生育と牧養力の推移を調査した。試験地は札幌営林署札幌事業区57林班内5.21haで1969年春全刈火入れ地ごしらえでトドマツを植栽した。試験区は林床植生型(牧草・野草)×植栽様式(並木植・四本群状植)×植栽密度(1,500本・3,000本/ha)の組合せで8区である。このうち林床植生牧草区は放牧被害が大きく補植をしたので, 4年目以降は試験区より外した。野草区の草勢は3年目で衰退したので牧草を播種した。牧草収量は10〜15ton/haでカウデーは約100/ha/500kg, ウシの日増体重は0.6kg/dayと標準値であった。トドマツの生育は順調で, 放牧区のほうが禁牧区よりも樹高, 胸高直径とも大きかった。放牧被害は植栽木が若齢のうちに起こりやすいので, 若齢時の放牧を弱くして, 牧草導入を林齢4年にすれば成林とともに100カウデー/ha程度の牧養力は期待できる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1987-03-25
著者
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