殺そ剤Zn_3P_2の分解とアカネズミに対する急性中毒症状
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概要
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Zn_3P_2の林地, 苗畑および水田土壌における消失および酸分解率とアカネズミに対するZn_3P_2の急性中毒症状および体内残留を調べた。林地土壌面におけるZn_3P_2の消失は遅く, 苗畑土壌面および水田土壌面では速かった。乾燥毒餌より水に浸漬した湿潤毒餌のほうがZn_3P_2の酸分解率は高かった。2時間から2日間水に浸漬した湿潤毒餌ではZn_3P_2含有量の90%以上が酸分解した。1毒餌に含有している1.8mgのZn_3P_2は1頭のネズミの致死量に相当する。この毒餌を林地に施用した場合, その毒量は約20日間で約50%が消失する。したがって, 2粒を喫食するものと仮定して, この毒餌の有効防除期間は約20日間と推定される。Zn_3P_2原体10mgを経口投与したアカネズミ(♀, 30g)は約4時間で呼吸障害から神経麻ひをおこして死亡した。中毒アカネズミから吐き出されたPH_3量は最大379μgでZn_3P_2相当量にして1.443mgであり, 全投与量の14.4%であった。比較的多量のPH_3が胃腸内容物中で検出されたがこれ以外にも胃や腸でZn_3P_2の分解によって生じたごく微量のPH_3が検出された。Zn_3P_2およびPH_3のいずれも尿や糞中には検出されなかった。
- 1986-01-25
著者
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