生育期トドマツ苗の凍結温度
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概要
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凍結温度によって生育期のトドマツ苗の耐凍性を知ることができるかを検討した。凍結温度は苗を直接-12℃の低温室に入れ, 幹に挿入した銅・コンスタンタン熱電対で測定した。トドマツ苗の凍結曲線の型は過冷却が破れ樹体温度が急上昇し, その後しばらくその温度を維持する型か, または過冷却が破れたあと一時的高温を示し, すぐ樹体温度が低下し, その後ほぼ一定の温度を示す型をとるものが大部分であった。これらの型から生育期のトドマツ苗では過冷却が破れると一気に第2氷点も通過すると考えられた。上記の方法で得られた凍結温度は季節変化をし, 春は高く, 夏は低く, 秋は再び高くなった。この動きは苗に水を噴霧して測定した凍結温度でも同じであった。伸長生長期のトドマツ苗について毎週測定して得た凍結温度は, この時期の耐凍度より高く, 苗を-12℃の低温室に直接入れて得た凍結温度は耐凍性を表わすものではなかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1980-06-25
著者
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