カラマツの繊維傾斜度におけるクローン間変動
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概要
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東北林木育種場のクローン集植所に植栽されているカラマツ精英樹のつぎ木クローンの中から, 8〜9年生80クローン400個体を選び, 円板試料を採取し, 材の繊維傾斜度を調べた。測定は, 樹皮から4ないし5個の年輪の晩材部で, 樹軸に対する繊維走向の方向と角度について行なった。年輪別の繊維傾斜度はクローンによって有意に異なった。クローン平均値の変動幅は0.6〜8.1°であった。また, 個体の最大傾斜度についても, 同様にクローン間変動が有意であり, クローン平均値の変動幅は2.4〜8.6°であった。この場合のクローン内変動幅は, 測定した大部分のクローンで, 3.5°以下であった。繊維傾斜度と年輪幅との間には, 相関関係は認められなかった。クローン間変動およびクローン内変動をもとにして推定した広義の遺伝力は, 年輪別繊維傾斜度で0.35〜0.42,個体の最大繊維傾斜度で0.49であった。これらの結果から, カラマツ材の繊維傾斜度は, 育種的手法により改良できる十分な遺伝変動を含んでいることが明らかとなった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1972-07-25
著者
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