林木のカルシウム代謝に関する研究I : ポプラさし木苗におけるカルシウムの吸収と移動について
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概要
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カルシウムは植物体内においては難動性の要素であって, 一旦葉部中に分布したものは容易に再分布されないことが多数の研究例によって明らかにされてきた。しかしE.LAUSCHは周到な実験をおこなって, ある植物においてはカルシウムが日変化をおこなう事実を認め, 従来の通説に反した見解を明らかにした。他の研究者達によってもこれに類した実験例が報告されており, したがって植物におけるカルシウムの代謝については, なお未知の分野の多いことが推測される。本研究は林木中のカルシウム代謝についての基礎的な資料を得る目的で, Ca^<45>を使って時間的な変動にともなう吸収量および体内分布について調べたものである。その結果つぎのようなことが認められた。1.カルシウムは幹軸部中において急速に上昇するが, この部分からの葉柄部および葉部に対する移動は緩慢である。2.カルシウムは中葉部において最大に集積され, 該当部の葉柄においてもまた多量である。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1964-07-25
著者
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