ニホンカラマツを害するSacchiphantes属の一新種(カサアブラ科)について
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概要
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これはニホンカラマツを害するカサアブラムシの形態と生態の研究に関する報告である。新種であるキタミマツカサアブラSacchiphantes kitamiensisは北海道北見地方に広く分布し, 10〜20年生ニホンカラマツを寄生し, 部分的に著しい被害を与えているが, 樹幹はしばしばトドマツミキカサアブラDreyfusia todomatsui INOUYEの被害のように全面白色の臘質絨毛でおおわれる。本新種の産性虫による被害状況はカラマツカサアブラAdelges laricis VALLOT, var. karamatsu INOUYEのそれとよく似ているが, その被害は後者より多い。被害針葉は黄変し, しばしば鈍角に曲がる。無翅移住型成虫(Sistens-Mutter)は体長0.344 mmぐらいの小虫で汚青色をおび, その卵に2種あり, その一方からは無翅移住型幼虫(Sistens-Junglarve)が生じて, 若枝に吸いつくが, 他方からは有翅産性虫(前進移住型)(Sexupara-Fliege, Progrediens)が生じて, 新葉上で発育する。有翅産性虫は5月下旬〜6月上旬に現われ, カラマツから去る。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1963-10-25
著者
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