硬質繊維板の熱処理効果について(第I報)
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概要
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硬質繊維板の熱処理による機械的性質の改善について試験した。熱処理の際の処理温度および処理前の含水率の変化が熱処理過程の熱化学変化におよぼす影響をその機械的性質の点からしらべるために, 試験板としてA, B, C 3種のパルプ化工程の異なつた繊維板を使用して処理温度および含水率を変えて熱処理をおこない, その衝撃および曲げ試験の結果を比較した。繊維板の製造過程において生ずると思われる部分的な強度のむらがあり, 個々の試験片の間の強度の差異が大きくはつきりした傾向をつかむことはできなかつたが大体の傾向を次に示す。(1) 衝撃曲げ吸収エネルギーは処理温度が高くなるとともに減少する。(2) 処理温度が200℃となると各強度は大体低下する。(3) 曲げヤング係数および曲げ破壊係数は処理温度175℃の場合にもつとも高い値を示す。Cの板ではばらつきが非常に大きいためにこのような傾向は見られない。また処理前の含水率の高いもの, すなわち吸湿処理したものでもはつきりしない。(4) 熱処理前の含水率は高くなるほど曲げヤング係数および曲げ破壊係数は減少する傾向にあるが衝撃曲げ吸収エネルギーは殆んど減少しない。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1956-05-25
著者
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