航空写真による森林蓄積調査法の研究
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概要
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1953年9月から1954年3月にわたり航空写真を層化に利用した。標本調査法によつて山梨県東山梨郡神金村所在東京都水源林の蓄積調査を行つた。調査対象森林の全面積は596.05haで, 構成樹種は, 人工林ではカラマツ, ヒノキ, 天然生林では, 落葉広葉樹の外にツガ, ウラジロ, モミ等である。種々の考察の結果, 天然生林と人工林の二層にして, 予備調査により変動係数を定め, 期待精度は総蓄積では10%以内, 経済的に優位である人工林では10%以内となるように, Neyman割当により箇数を求め, 人工林では33,天然林では34と定めた。標準地面積は1000m^2(20m×50m)とした。抽出率は, 全林地では1.18%となつた。調査結果では, 全蓄積の推定値は130,282m^2で誤差率は95%の信頼度で9.5%, 人工林については84,730m^2で同じ信頼度で10.3%となつた。これは単純無作為抽出法によつた場合に比べて8.2%の精度の向上を見たにすぎない。この併用法の効果を支配するものは, 使用する航空写真の質, 縮尺等でこの方法を一層効果あらしめ, 精度の向上を図るには写真そのものの質の向上と判読技術, 器械等の改良発達が望ましい。なお, 調査費用, 労力は極めて僅少ですむのがこの方法の長所だが, 航空写真が現存せず, 新たに撮影する場合は, その費用が莫大であるのが難点である。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1956-10-25
著者
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