木材腐朽菌のフェノールオキシダーゼ(第1報) : フェノール物質に対するオキシダーゼの反応
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概要
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(1) 木材腐朽菌の菌糸が分泌するフェノールオキシダーゼに依つて培養基の中に加えられたフェノール物質が酸化されて呈色する反応が観察され, 菌の種類に依りフェノール物質に対する作用が異なること及びカワラタケ菌が最も多種類のフェノール物質を酸化することが認められた。(2) 従来白色腐朽菌と褐色腐朽菌とを分けるのにタンニン酸が最も良いとされたが, アルフアナフトール(濃度1/1000M)もフェノールオキシダーゼに依つて紫色に変化し, 呈色反応が明瞭であること及び褐色腐朽菌には寧ろ抑制作用があることから優秀な試薬であることが認められた。(3) カミウロコタケ菌からアセトンに依つて, フェノールオキシダーゼの酵素製品が造られ, これをアルフアナフトールの溶液に加え, 数日間恒温にて放置すると紫色の沈澱を生ずることが認められた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1953-04-25
著者
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