カラマツ樹幹における幹断面積連年成長量の配分と辺材量の垂直的分布
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概要
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梢端から積算した積算辺材部材積と, 同じ相対高で区分求積された幹材積とを用いて, 両者に直線回帰式を当てはめ比例定数L_<vs>を各標本木について計算した。また, 梢端からの積算辺材部断面積と幹断面積と対比したところ, 同様に直線関係が得られ比例定数L_<gs>が求められた。1)比例定数L_<vs>およびL_<gs>は樹幹に沿った辺材部材積および辺材部断面積の垂直的分布状況を示すもので, L_<vs>とL_<gs>とには正の相関関係が成立した。2)比例定数L_<gs>は各相対高位置での心材部断面積率および樹幹内の心材材積率とも負の相関関係が成立した。3)葉の幹生産能率とL_<gs>との関係では, 生育段別が進むほど両者の相関関係は高くなった。4)前報での樹幹に沿った積算幹断面積連年成長量と幹断面積との直線回帰での比例定数L_<gi>と比例定数L_<gs>とは, L_<gi>の値が大きなもの以外は両者間に正の相関関係が認められた。すなわち, 一定の範囲内で両者間に肥大成長量の垂直的配分の仕方と辺材量の分布とに相関関係が認められた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1996-08-16