さしほの発根に関する研究(I) : クロマツのメバエのさしほの発根におよぼすIAAの影響
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概要
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クロマツのメパエのさしほの不定根形成に対するIAAの効果は, さしつけ後与えた時期によって効果が異なることが観察された。すなわち, 時期1 : さしほを作成した直後では, IAAの影響は小さかった。時期2 : 1.0×10^<-4>〜1.0×10^<-3>MのIAA濃度区は, さしほ作成2日目処理の場合に, 発根数が増加したが, 不定根発生時期を早めなかった。時期3 : さしほを作成後, 3〜11日経過してからIAAを与えた場合には, 最初の不定根形成時期が, 低濃度の場合を除き遅れた。また, IAA濃度が高くなるにつれて不定根が発生する位置は, 胚軸の上部へ広がる傾向があった。1.0×10^<-4>〜1.0×10^<-3>Mの濃度区では, 発根数, 根量, 根長が増加した。これ以上の濃度区では, 発根数は増加したが, 根量と根長は減少した。さしほは0M区もIAA区も成長を続けた。さらに, 子葉部+初生葉部と胚軸部の相対成長指数は, IAAの濃度の違いにより変化した。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1980-04-25