小規模私有林の経営に関する研究(IV) : 小規模私有林経営の地域性
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概要
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まず, 現実に行なわれている林業生産の地域性を分析検出し, ついでこうした地域性をもたらした要因について関連づけていくことにした。地域的な経済条件が大きく影響していると考えられるのは, 農家における林産物の商品生産が活発になってきたごく最近の林業経営に対してである。従前の林業経営においては, 主として各地域の経済外的な条件(慣習とか伝統などの歴史的な条件)が, 大きく支配していたと考えられる。そこで, もし, 経済的条件の分析を先に行なって, それに基づいて林業の内容をみていくと, 植林の動向, 林産物販売の動向ということにのみしぼられ, 林業経営の内容を考える際に大きな意味をもつところの林木蓄積(長い間の植林行為の結果として林地上に形成された資本)をネグレクトしてしまうことになる。したがって, ここでは, 小規模私有林の経営を, 林地への投入, 林地からの産出, 林地上に形成された林木資本の3面から分析して, これまでの発展過程, 現在の水準を概観し, 次に, その中の現時点における行為に影響を与えている各種経済的条件を解明していく。
- 日本森林学会の論文
- 1968-01-25
著者
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