ブナ林の皆伐および針葉樹の造林が行われた多雪山地に発生した表層崩壊地の分布と地形要因の関係
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概要
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多雪地帯の山地において, ブナ林の皆伐, スギ・カラマツの造林後に発生した表層崩壊地の分布と, 地形要因の関係について数量化II類により解析した。解析には方位, 傾斜, 標高, 縦断面角, 横断面角の五つの地形要因を用いた。また, 解析は25,50,100mの3種類のメッシュを単位として行った。崩壊地は100m^2以下の小規模なものが全崩壊箇所数の88%を占め, 崩壊地の分布と最も関係の深い地形要因は方位で, 降雨に起因する崩壊地とは異なる特徴を示した。崩壊地の分布頻度の高い地形条件は方位では南東, 傾斜では30〜35。以上の急傾斜地, 標高では1,300〜1,400mの標高帯, 縦断面角および横断面角ではともに凹地形であった。これらの地形条件はすべて, 融雪期における積雪の移動が激しいと考えられる斜面と一致し, 崩壊地の分布は積雪移動の程度によって説明できると判断された。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1993-05-01
著者
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