アカマツ苗の窒素利用とそれに対する土壌水分の影響

概要

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4月に, 1年生のアカマツ苗をポットに植栽し, 7月にアンモニア態(NH_4区)と硝酸態(N0_3区)の窒素を施用し, 同時に土壌水分を乾と湿の2区に調整した。窒素施用後, 3週間にわたって樹体内の全窒素, 無機態窒素と遊離アミノ酸の濃度および無機成分の濃度を測定した。全窒素とアンモニア態窒素濃度は「NH_4区の針葉で増加した。いずれの処理区においても硝酸態窒素は検出されなかった。遊離アミノ酸濃度はNH4区の針葉および根で増加した。針葉中で主に増加したアミノ酸はグルタミンとアルギニンであった。根では多くの種類のアミノ酸が増加していた。この実験程度(一0.035MPa)の土壌水分状態ではアカマツの窒素利用過程はあまり影響を受けず, むしろ窒素源の違いが大きく影響したと考えられた。また, N0_3区の針葉では, カリウムとカルシウムの濃度がNH_4区より高くなっていたが, NH_4区との差はあまり大きいとはいえなかった。カリウムとカルシウムの吸収があまり多くないということと, 硝酸態窒素の吸収量が少ないこととは関係があるように考えられた。
1993-01-01