仁淀川下流域の台風災害における山腹小崩壊地点と非崩壊地点の判別
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概要
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台風の豪雨で崩壊が多発した814haの地域を対象とし, 1/5,000地形図上で計測した地形データのみを要因として, 数量化II類の手法により面積0.1ha以下の山腹小崩壊地点と非崩壊地点の判別を試みた。判別に用いた四つの地形要因は偏相関係数の大きい順に斜面横断面形>方位>傾斜>斜面縦断面形, レンジの大きい順に斜面横断面形>傾斜>方位>斜面縦断面形となった。崩壊危険度は斜面横断面形が凹, 方位が南で傾斜が急なほど高く, 斜面横断面形が凸, 方位が北で傾斜が緩やかなほど低いと判定された。斜面縦断面形のスコアヘの影響は小さかった。崩壊発生との関係が深い林況を要因としなかったにもかかわらず, これを要因に用いた従来の1ha方眼内の崩壊の有無の判別事例の多くのものと比べて, 判別精度は明らかに高かった。判別の対象を面積0.lha以下の山腹小崩壊に限定したこと, および判別の単位を面から点に狭めたことにより, 判別精度が高められたものと考えられた。また林況を要因としなかったことにより, 保安林配備計画の立案等への利用が容易になったものと考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1991-05-01
著者
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