林地透水性の簡易測定法に関する研究
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概要
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採土円筒で採取した土壌から, 簡易な方法で圧力水頭φ^^-, 体積含水率θ, 不飽和透水係数k_tの近似値を求める関係式を誘導した。まず飽水した円筒土をpF1.8で脱水後, 吸水させ, 再び吸水板を用いて脱水する。その間の時間経過tと, 吸脱水速度vを測定する。その場合の円筒土内の水の動きは, 熱伝導微分方程式で表すことができ, 円筒土のおかれた初期条件, 境界条件をもとに, それぞれの状態に対応した微分方程式の解を求めることができた。その結果, φ^^-と圧力水頭勾配は, 吸脱水量の全量Q_0,その時点以降の吸脱水量Q_tとの比を変数とする比較的簡単な関数で表されることがわかった。またθはvの積分値から, 脱水過程のk_tはvと圧力水頭勾配から, 吸水過程のk_tはQ_0とQ_tの関数として, それぞれ求めることができた。実験には花崗岩風化土を用い, 関係式から, φ^^-, θ, k_tを計算した。計算値は他で測定された数値と比較して, その傾向がよく合致していることから, 近似値として十分使用できるものと考える。
- 1989-09-01