『朝鮮王朝実録(韓国語訳)』CD-ROMの基礎資料としての活用意義 (<特集>アジアを知る:韓国)
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概要
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朝鮮王朝時代には, 前代の高麗王朝と同様に春秋舘を設置して, 史官を配置し, 国王が逝去すると必ずその王の時代の歴史を編纂した。これを実録と称して特別に設置した史庫に保管していた。この実録の原文は漢文を用いて編年体で記述されているものであるが, 朝鮮王朝時代の歴史や文化を研究するさいの貴重な学術資料として高く評価されてきた。このほど難解な原文の現代韓国語訳版が完成したのを受けて, 一段と便利に研究に活用できるようにとの趣旨から, CD-ROM版が刊行された。これを活用することによって研究者はもちろん, 一般の人々でも迅速に朝鮮王朝時代の歴史や文化について読みこなしたり, 単語検索をおこなって調査・研究をおこなうことが可能になった。日本においてもハングルに習熟していれば, このCD-ROMを活用して朝鮮王朝時代の文化に関する調査・研究に役立てることができるようになったので, 実録の資料的価値とこのCD-ROMの機能, およびその活用の方法について簡単に述べてみる。
- 社団法人情報科学技術協会の論文
- 1996-12-01