わが国におけるレコード・マネジメントの概要 (<特集> 企業のレコード・マネジメント)
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概要
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日本はレコード・マネジメントを米国から継受する立場にあった。現実には日本は継受していない。フーバー報告書の後,レコード・マネジメントの紹介者はいた。しかし,伝播者はいなかった。現在でもレコード・マネジメントは認知されていない。たくさんの人たちがレコード・マネジメントという言葉を知らず,またレコード・マネジメントの理論であるライフサイクル概念を知らない。なぜ,このような状況になっているのか。スチーブンスの論文を引用しながら,本稿はレコード・マネジメントが成立する前提条件と発展するための基盤について検討する。明治維新後,日本はその倫理,慣習,伝統を織り込みながらローマ法をプランスとドイツから継受した。日本の法律制度が世界的な文脈なしに成り立たないように,レコード・マネジメントは普遍的な理論なしに離れて立つことができない。日本におけるレコード・マネジメント基盤の開発はレコード・マネジメントの世界的な文脈に貢献する。
- 社団法人情報科学技術協会の論文
- 1993-02-01