わが国における各種検索MARCデータベースを使用したオンライン主題検索の問題点の分析
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概要
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近年,わが国でJAPAN/MARCを民間MARCを併用して,文献検索のためのデータベース一つとして利用するシステムが普及し始めている。ところが,主題検索をするための代表的なアクセス・ポイントとなる件名やNDC分類番号の付与状況が各MARCごとに異なり,しかもその違いが具体的な検証によって明らかにされていない。これは検索結果を左右するような問題を提起している。本稿はこのような問題を踏まえ,各種MARCを併用する主題検索を効率化するための糸口や限界を探るために,JAPAN/MARCと民間MARCの一つであるニッパン・マークを対象として,各MARCごとの件名,NDC分類番号の付与状況,およびその両MARC間における差異を明らかにする実験を行い,さらにその結果を検索上の観点から検討し,効果的な検索のために若干の考察を加えるものである。実験の結果によると,件名についてはJAPAN/MARCの方がニッパン・マークよりも効率が低いこと,また両MARC間での一致度が低く,言葉上の問題を含むことが分かった。それに対し,NDC分類番号については両MARC間の一致度が高いので,両MARC間で同じ番号を使用して検索することは有効であろう。しかし,両MARC間で分類番号の1桁目が異なる図書が1割存在することが分かった。これらの知見から,各種MARCをオンライン検索データベースとして主題検索に利用するにはまだ多くの問題を抱えており,検索時における検索者の細かい配慮がなお必要であると言えよう。
- 1987-04-01
著者
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