流通CALSによる情報共有 : 西武百貨店における中期情報システム開発戦略の基本思想 (<特集>情報共有化テクノロジー)
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概要
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「情報共有化」は,来るべき情報社会のインフラとして欠かすことのできない重要な社会システムの構成要素である。また,情報技術の急速な発展もあり,利用者にとっては,ハード面の課題はほとんど解決されるものと予測できる。このような状況下,グローバルな視点に立脚した世界共通のコミュニケーションの形態の確立へ向け,企業・産業・国家の壁を乗り越えた標準化の運動を,世界的な標準化推進組織との連携によって強力に推進することが,情報システムの開発戦略における最重点課題になってくる。そのためには,ネットワークとデータベースの構築が不可欠なことはいうまでもないが,さらに大切なことは,これを自在に使いこなすまでの情報リテラシィ力の獲得によって生活・企業・社会の全局面において,個人一個人間のグローバルなコラボレイションが形成される次元にまで,情報共有化のクオリティを高進させることである。したがって今後はグローバルに通用すべく,かつ広範な課題形成が可能な戦略的なテーマ設定が不可欠になってくる。そこで本稿では,百貨店に身を置く筆者としては,百貨店の再生への期待も込めた「小売ECRリ」視点に立脚した「流通CALS」を提言し,あわせて,このコンセプトに基づく「情報共有化」の方法論について,事例紹介を織り交ぜながら提示した。
- 社団法人情報科学技術協会の論文
- 1996-09-01