会議録 (<連載> 情報の探し方 第3回)
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概要
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会議録は,研究活動における情報源として,またその発表の手段としても,重要性を増し続けてきている。特に進歩の速度の著しい科学技術の分野においては,報文誌への投稿論文よりも迅速性において優っている点や,会議での発表のみで他の文献形態では発表されずに終わる情報も多いため,会議録に対する需要は極めて高い(図1)。会議録自体は何もそう歴史の新しいものではなく,例えばケンブリッジ大学の会議録総合目録"Union Catalogue of Scientific Libraries in the University of Cambridge. Scientific Conference Proceedings"を見ると,少なくとも1644年には既に会議録が刊行されていたことがわかる。1950年代後半から会議録の持つ重要性や問題点が指摘されてきているが,ことに近年になって注目を集めるに至ったのには,二次資料類にも収録されるようになり,また会議録専門の二次資料も登場して,参考文献としての引用率が高まってきたことに一因があると考えられる。しかし,資料自体に高い利用価値が存在するからこそ二次資料の収録対象として浮上してきたとも考えられ,これは「鶏が先か,卵が先か」の問題であろう。[figure]
- 社団法人情報科学技術協会の論文
- 1992-03-01