手術困難な難治性気胸に対するフィブリングルーによる気管支塞栓術

概要

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一般に気胸の治療法としては持続胸腔ドレナージが第一選択であるが, air leakが遷延する難治性気胸では, 保存的治療法に限界があり, 観血的治療法の適応と考えられている。しかし, 残存肺機能の低下した患者, 全身状態不良の患者あるいは人工呼吸器管理中の患者では手術が困難なことも少なくない。今回, 我々は, このような症例に対し, フィブリングルーによる気管支塞栓術を施行し, 有用であった3症例を経験したので報告する。いずれも手術困難な症例と考えられたが, pulse oxymeterにて酸素飽和度をモニターすることにより本療法を安全に施行することができた。air leakは1例で直後に停止し, 他の2例も24時間以内に消失した。また, 2例に一過性に塞栓部に一致して浸潤影を, 1例に無気肺像を認めたが, いずれも6日以内には消失した。本療法は比較的安全にかつ容易に行うことができ, しかも施行後重篤な合併症もなく, 残存肺機能の低下したあるいは全身状態不良の難治性気胸に対し, 有用な治療手段の1つと考えられた。
1994-03-25