気道粘膜血管透過性の亢進に対するテオフィリン製剤の抑制効果

概要

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テオフィリン製剤は, 喘息患者に対して日常頻用されているにもかかわらずその作用機序の詳細については未だ不明な点が多い。本研究では, 喘息病態における気道炎症の重要性に着目し, Monastral blue粒子のpoint countingを用い, ラット気道粘膜における血管透過性に対する本薬剤の影響を検討した。ヒスタミン投与により, Monastral blueによる青染血管の%areal densityは20.8±0.8%(P<0.001, n=6)と増加し, 気管粘膜における血管透過性の亢進が示唆された。一方, テオフィリン2.5mg/kg投与により, 青染血管の%areal densityは18.0±0.9%(P<0.05, n=6)と減少が認められ, 2.5mg/kg以上の投与では用量依存性の有意な低下がみられた。最大抑制は, 20mg/kgのテオフィリン投与により%areal density 13.7±0.7%(P<0.01, n=6)で, 気管支喘息に対するテオフィリンの効果発現には気道粘膜血管透過性に対する抑制効果が関与する可能性が示唆された。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1993-05-25