原発性肺癌術後の気管, 気管支壁内転移例に対する腔内照射の効果

概要

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当院で経験した原発性肺癌切除後の気管, 気管支壁内転移と考えられた5症例8病変の臨床像, 気管支鏡所見, 治療として行った気管, 気管支腔内照射の効果について検討を加えた。全例男性で, 組織型は扁平上皮癌4例, 腺癌1例であった。切除から気管, 気管支病変初回発見までの期間は3年以内で, 平均16.4か月であった。発見動機は8病変とも血痰であった。気管支鏡所見は扁平上皮癌4症例7病変はいずれも亜有茎形性, 隆起性腫瘤として, 腺癌の1例は粘膜下腫瘤様隆起性病変として認められた。1例は外照射単独で, 他の4例は我々が開発したアプリケーターを用い^<192>Iridium thin wireを線源とする気管, 気管支腔内照射と外照射により治療を行った。治療による合併症は特に認められなかった。治療終了後腫瘍の消失と細胞診の陰性化をみた。2例は再発により死亡したが, 死亡時まで局所は制御されていた。他の3例は再発の徴候なく健在である。我々が開発したアプリケーターを用いた腔内照射は, 外照射を十分施行しえない症例の局所療法として有用と考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1992-03-25