気管切開創部の気管支鏡による治癒過程の観察
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概要
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1975年から1988年までに済生会神奈川県病院外科に入院した胸部外傷症例で気管切開を施行した87例を対象とし, 気管カニューレ抜去後に気管切開創部の治癒状況を気管支鏡下に観察した。このうち経時的な観察を行い得たのは50例で, 気管切開が行われていた期間は4日間から52日間で, 平均すると10.3日であった。治癒状況は気管切開カニューレ抜去4週間後に気管支鏡検査を行って判定した。結果はminimal change groupが46例, polypoid granulation groupが3例, stenosis groupが1例であった。minimal change groupでは, 気管切開創部はほとんどの症例で変形を残さず一直線の瘢痕として治癒し, その治癒過程で観察される気管炎, 気管切開創部口側の小肉芽は正常な治癒過程と考えられた。気管切開創部の変形治癒が起こった症例は気管切開を行った症例の8%であった。気管切開に当たっては, 気管軟骨輪を一直線に切開する方法がよいと考えられた。また気管切開創部に感染が起きないように管理することが重要であると考えられた。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1991-09-25
著者
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