慢性気道感染症患者の喀痰および血清中の IgA および IgG 抗体, とくに抗緑膿菌抗体の分析
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概要
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びまん性汎細気管支炎を含む慢性気道疾患にみられる慢性気道感染症は, 緑膿菌感染に進展し易い。慢性気道感染症における体液性免疫系の変動や病態的意義や, 抗緑膿菌抗体の診断的意義, らを解明するために, これら疾患患者の喀痰と血清中のIgA系およびIgG抗体の濃度や抗緑膿菌抗体価を主にELISA法で測定した。慢性気道感染症においては, 局所および全身性のIgAやIgGクラスの体液性免疫系は賦活されており, 緑膿菌のコロニー形成や感染に対応して抗緑膿菌抗体を合成しているが, プロテアーゼが多量に放出されている感染病巣ではIgG抗体の大部分は分解され, S-IgA抗体はプロテアーゼに対してより安定なためもあり残存し, 作用していることが示唆された。また血清検査では, 抗緑膿菌IgAおよびIgG抗体共に喀痰中緑膿菌の間欠陽性群より持続陽性群で高い傾向がみられ, さらにS-IgA濃度が慢性気道疾患の進展に伴い上昇し, その進展度の判定に有用と考えられた。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1990-07-25
著者
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