慢性硬膜下血腫を合併した気管気管支軟化症の 1 例

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概要

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咳失神に際して頭部を打撲したために慢性硬膜下血腫を合併したと思われる気管気管支軟化症の1例を経験したので報告する。症例は75歳, 男性。10年来, 慢性的な咳, 痰があり, ときに咳失神を来すことがあった。当院受診2か月前に咳失神の後, 転倒し頭部を打撲。咳失神精査目的にて当院受診。気管支鏡検査, 気管動態撮影より気管気管支軟化症(刀鞘型)と確診した。失神の鑑別診断の目的で頭部CTを実施したところ左前頭葉外面にlow density areaが認められ慢性硬膜下血腫と診断した。臨床経過より咳失神の際の頭部打撲によるものと考えられた。咳失神は気管気管支軟化症にしばしばみられる症状であるが, これにより慢性硬膜下血腫を合併したとの報告はない。しかし, 高齢者に多く, また軽微な頭部外傷で生じることなど本症の合併症としてまれではあるが注意すべき疾患と考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1990-05-25

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