気道洗浄法による慢性気道感染症の病態の解析
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概要
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びまん性汎細気管支炎(DPB)では併発する慢性気道感染症による組織障害がその予後を左右する重要な要因と考えられる。本報では, 慢性気道感染症における組織障害の機序を, これらの患者の気管支肺胞洗浄(BAL)液や気管支洗浄(BL)液の分析により追求した。その結果, DPBや気管支拡張症にみられる慢性気道感染症においては, 好中球の増加, 主に好中球由来と考えられるエラスターゼ活性の上昇, プロテアーゼ阻害物質であるα_1-アンチトリプシンの増加, 等が起こっていることが定量的に確認された。また, 好中球-エラスターゼ系による組織障害や炎症反応に対するプロテアーゼ阻害物質やリゾチーム, 等による抗炎症性生体防御反応の相対的な低下が存在すると推定された。慢性気道感染症の進展防止には, 組織障害因子の作用の抑制, 抗炎症性生体防御成分の作用の賦活, 等が必要と考えられる。
- 1990-03-25
著者
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