7-2 気管支充填術(シンポジウム7 Endobronchial/Endothoracic Treatment: Up-to-Date)

概要

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目的.高度の肺気腫を基礎疾患とする続発性気胸,有瘻性膿胸,種々の原因による肺瘻など確実に気瘻を止めることが必要とされる病態は,呼吸器疾患の診療においてよく遭遇する.我々は従来の気管支充填術Bronchial Occelusionに比してより確実で長時間の気管支閉塞が得られる方法としてシリコンによる気管支充填術とシリコン製気管支充填材EWSを開発した.本法の有用性,安全性,適応を検討する.方法.2000年4月から2003年3月までに88症例(59施設)にEWSを用いた気管支充填術を実施,その集計結果を解析した.気管支充填術は原則として局所麻酔下,気管支鏡下に行った.成績.疾患の内訳は,手術困難と考えられた難治性気胸57例,有瘻性膿胸17例,術後の遷延する肺瘻9例,他臓器との気管支瘻5例であった.責任気管支の同定の後気管支充填術を実施した85例中82例(96.5%)において充填に成功した.本法によりエアーリークが消失したものが36/82 (43.9%),明らかに減少したものが31/82 (37.8%),不変であったものが11/82 (13.4%)であった.本法に伴う重篤な合併症は経験しなかった.結論.EWSを用いた気管支充填術は従来の方法に比し,長時間で確実な気管支閉塞が得られ,かつ安全な治療法であると思われた.
2003-12-25