Kirschke DL, Jones TF, Craig AS, et al, Pseudomonas aeruginosa and Serratia marcescens contamination associated with a manufacturing defect in bronchoscopes, N Engl J Med, 2003, 348, 214-220
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概要
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2001年9月,気管支鏡に関連してP.aeruginosaとS.marcescensの分離数が増加しているという,ある市中病院からの報告を受けて著者らが調査を開始した.2001年7月1日から10月31日までの4ヶ月間に気管支鏡が施行された60人の患者,66回を対象として,気管支鏡時に得られた患者検体と内視鏡室や自動洗浄機などの環境から得られたサンプルからのP.aeruginosaとS.marcescensの分離数を検討した.43検体が細菌培養に出され,20検体(47%)にP.aeruginosaが検出され,そのうちの6検体(30%)はS.marcescensも同時に検出された.この間,施設にある気管支鏡8本のうち4本が使用されていたが,そのうち2本の気管支鏡から得られた検体のみにP.aeruginosaひが検出された.この2本の気管支鏡は同じ製造所で作られた新型類似モデル(BF-1T160とBF-160)で,新しく購入したものであった.これら気管支鏡の生検鉗子口のキャップは緩く簡単にはずれることが明らかとなり,このキャップ内部と鉗子□を拭ったサンプルのほぼ全例からP.aeruginosaあるいはP.aeruginosaとS.marcescensが検出された.また,環境から得られた113サンプルのうち2検体にP.aeruginosaが検出された.患者,気管支鏡および環境から得られたP.aeruginosaはパルスフィールドゲル電気泳動による解析で,そのパターンが一致した.1例は気管支鏡検査後11日目に肺炎を起こし再入院したが,喀痰からP.aeruginosaが検出され,抗菌薬感受性パターンが類似していた.これら気管支鏡の使用を中止した後は患者検体からP.aeruginosaは検出されなかった.この調査から気管支鏡の欠陥によるアウトブレークと判明し,これら気管支鏡は業者により自主回収された.
- 2003-05-25
著者
関連論文
- Srinivasan A, Wolfenden LL, Song X, et al, An outbreak of Pseudomonas aeruginosa infections associated with flexible bronchoscopes, N Engl J Med, 2003, 348, 221-227
- Kirschke DL, Jones TF, Craig AS, et al, Pseudomonas aeruginosa and Serratia marcescens contamination associated with a manufacturing defect in bronchoscopes, N Engl J Med, 2003, 348, 214-220