会話エージェントに媒介されたコンテンツマネジメントシステム(知識情報インフラ)(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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本論文の目的は,個人によるコンテンツ創造を支援するためのコンテンツマネジメントシステム(CMS)の構築である.従来,雑多な内容を含む個人コンテンツの発展プロセスを,計算機を用いて活性化することは困難であった.本論文ではコンテンツ発展を媒介する存在として会話エージェントを用いることによりこの問題を解決する.はじめに,本人の会話を代行する分身エージェントを提案し,EgoChat IIシステムとして実装する.分身エージェントは電子メールから抜粋された短文をコンテンツとする会話エージェントであり,評価実験の結果,その会話が人にとって背景を補うことにより理解可能であったことを示す.次に,より大きなコンテンツの構築手法として,1段落程度のテキストを2体のエージェントによる会話的表現へ変換する手法を提案し,心理学的実験の結果,本手法が聞き手のテキスト理解を向上させたことを示す.また,本手法をPOCTVシステムとして実装し,1年間の実証実験を行った結果,大規模コンテンツを構築可能であったことを示す.最後に,個人CMSを統括する知識チャネルモデルを提案し,コンテンツ流通の方針を記述可能とするチャネルポリシー,コンテンツに時系列的な表現を与える会話エージェント,空間的な表現を与える番組表の三つを設計する.また,本モデルに基づくCMSをEgoChat IIIシステムおよび番組表生成システムとして実装し,実コミュニティにおいて運用する.本論文は以上の実装と実験によって,個人によるコンテンツ創造を支援するCMSが実現したことを示す.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2005-01-01
著者
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