生物間の相互作用に関わる機能性物質の合成化学的研究
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概要
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自然生態系においては, 各種の生物が様々な情報を交換し, 相互に作用し合いながら共存している. 化学生態学の分野では, 生物個体間の相互作用物質のことをセミオケミカル(semiochemical)と呼ぶが, そのうちある個体が生産し同種の他の個体に作用するような物質をフェロモン, 他種の個体に作用するものをアレロケミカルと呼んで区別している. このような化学物質を介した生物間の相互作用についての理解を深め, 農業における病害虫の防除に役立てようとする研究は, これからの持続可能な農業(sustainable agriculture)を考える上で不可欠な分野であると思われる. 本総説では, 化学生態学の中心的テーマである昆虫フェロモンの化学に対して筆者らが行ってきた有機合成化学的立場からの取り組みと, 植物病原菌によって生産され, 植物に病害抵抗性を発現させるための引き金となる化学物質(エリシター)の合成研究について述べたい.
- 社団法人日本農芸化学会の論文
- 1996-11-01
著者
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