ジョオウヤシ(Syagrus romanzoffiana var. australe)の果実の香気成分
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概要
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ジョオウヤシ(Syagrus romanzoffiana var. australe)の果実の香気成分を大量の無水硫酸ナトリウム共存下の脱水状態でジクロロメタン抽出し,濃縮後キャピラリーGC-MS測定に供し, 80成分を同定した.また,果実からダイナミックヘッドスペース法で香気成分をTenax TAに捕集し,熱脱着によってキャピラリーGC-MSに導入し, 64成分を同定した.抽出物では46.7%がエステル, 30.5%が有機酸であった. 各成分の定量値といき値から計算したオーダーユニットの対数から(以下の括弧内の数字はオーダーユニットの対数を示す),この果実の香気成分に貢献すると推測される化合物はエステルではethyl hexanoate (4.2), ethyl acetate (3.3), ethyl butanoate (3.1), methyl hexanoate (1.6), hexyl acetate (1.6), 3-methylbutyl acetate (1.4), ethyl octanoate (1.3), butyl acetate (1.1)の8成分,アルデヒドではnonanal (2.7), (E)-2-decenal (2.3), hexanal (1.5), heptanal (1.1)の4成分,酸ではhexanoic acid (0.9), butanoic acid (0.7)の2成分, γ-decalactone (1.6)および1,2,3,4tetrahydro-1,1,6-trimethylnaphthalene (1.8)の16成分である.最もオーダーユニットの対数の大きいethyl hexanoateはパイナップル・バナナノートをもつ強い果実臭といわれている.ヘッドスペース成分ではその96.2%がエステルで,その中でもethyl acetate, ethyl butanoate, butyl acetate, methyl hexanoate, 3-methyl-3-buten-1-yl acetate,およびethyl hexanoateの6成分で,エステル全体の98.5%を占める.(E)-2-decenal, 1,2,3,4 -tetrahydro- 1,1,6-trimethylnaphthale, heptanal,およびbutanoic acidの4成分は,ヘッドスペース法では検出されていない.
- 1998-04-01
著者
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