Python・Ruby記述の分散多重スレッドプログラム用部分停止型デバッガの開発
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概要
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主要スクリプト言語は,ネットワークプログラミング等での応答性の向上等のため多重スレッド機能を提供している.そこで我々は,部分停止(low-intrusion)モデルにより拡張した分散型多重スレッドデバッガを提案する.このモデルでは,デバッグ操作ごとにプロセス全体の実行を停止させる既存の世界停止(stop-the-worldあるいはhigh-intrusion)モデルとは異なり,プロセス全体は実行状態のまま個々のスレッドを制御できる.本発表ではPython用に開発しRuby用に拡張したデバッガの機能と実装を述べる.本デバッガはネットワーク上で協調する複数プロセスを扱うため,クライアント部と言語対応サーバ部に分離し,両者を言語共通形式にコード化された非同期メッセージで結合している.前者は同時に複数のプロセスを捕捉でき,複数スレッド操作を容易にするためGUIを提供する.サーバ部の実装はデバッグAPI補強部,クライアント部からデバッグ用コマンドを受け取る専用スレッド,およびデバッグ対象スレッドがコールバックする関数群から成る.また,部分停止モデルが有効となるような場合をスレッド協調パターンを用いて示す.さらに世界停止モデル,部分停止モデル両者の得失を議論し,両者および実時間トレースの融合環境を提案する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2004-11-15
著者
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小菅 圭介
金沢工業大学大学院情報工学専攻
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佐藤 規男
金沢工業大学大学院情報工学専攻
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伊藤 泰
金沢工業大学大学院情報工学専攻
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永井 和宏
金沢工業大学大学院情報工学専攻
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小倉 正充
金沢工業大学大学院情報工学専攻
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