硬い微分方程式系向きのヤコビ行列を含む有理型陽的 Runge-Kutta法
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概要
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硬い微分方程式と呼ばれ'解に急激に減衰する項と緩やかに変化する項が混在する微分方程式の数値解法を考える.この硬い微分方程式はもともとサーボ機構の過渡特性を表す方程式によく見られたが,その後化学反応速度や原子核反応速度などを表す方程式の中にもあることが知られるようになった.この微分方程式を離散化法(Runge・Xutta法や多段階法など)で解くと,ステップ幅をある値より短くとれば正確な数値解が得られるが,ステップ幅をその値より広くとるととんでもない数値解になることが知られているステップ幅を短くして計算すると効率が悪くなるので,ステップ幅を広くしても上記の現象が現れない数値解法力埋まれる.有理型陽的Runge-Kutta法は単一微分方程式に対しては上記のような安定な性質をもつが,連立微分方程式に対してはその性質を持たないことが知られている.本論文では,偏導関数を使って,連立微分方程式に対してもこの安定な性質をもつ有理型陽的Runge-Kutta法を導き,偏導関数を使ったL一安定な有理型陽的Runge-Kutta 1段1次公式と2段3次公式を提案する・中でも,この2段3次公式は既存の公式より効率的である.
- 1992-12-15
著者
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