並列型画像処理システムとその応用 (<特集>並列処理)
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概要
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人間の視覚機能に近い画像認識,理解技術の確立を目指し,当所では並列型画像処理システム [FirePip]を開発した.このシステムの主な特徴は,定型処理である低レベルの画像処理に対しては DSP を用いて高速に演算を行い画像の特徴抽出や認識などの高レベルの画像処理にしてはトテンスビュータを用い並列処理により高速化を図り,トータルな意味での画像処理の高速化を目指した並列型画像処理システムというところにある.このシステムの画像処理は1k×1k(k=1,024)を基本サイズとしているが,大画像を処理できる画像処理装置に対するニーズが高まっていることから,1k×1kより大きな画像を扱えるような大画像の管理,処理方式を検討し,インプリメントを行った.そしてこれを基本システムとして当社君津製鉄所向けに鋼材の内質評価を行う鋳片プリント画像処理装置を開発した.ここで処理対象となる画像の大きさは最大3k×3kという大画像である.16個のプロセッサにより並列画像処理を行った結果,最も処理コストの大きな中間割れの追跡処理において2個のプロセッサの時の4倍程度の速度向上を達成した.さらに稼働率を一定にするような負荷分散を行うことにより2個のプロセッサの6倍程度の速度向上を達成することができた.現在このシステムは君津製鉄所においてオンラインで稼働中である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-07-15
著者
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中村 英都
新日本製鉄(株) 君津製鉄所
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有田 秀昶
新日本製鐵(株)
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肥塚 隆
新日本製鉄(株)エレクトロニクス研究所
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井上 和佳
新日本製鉄(株)エレクトロニクス研究所
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有田 秀昶
新日本製鉄(株)エレクトロニクス研究所
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