練習テキストから上達が計算できる日本文タイプ作業の認知的習得モデル
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概要
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運動や認知の技能習熟には,速度が練習回数のベキ乗に比例するというベキ法則(Power Law)が広く認められる.日本文タイプ入力Tコードの練習過程では,練習の小単位であるDrillについて,その打鍵時間の上達が統計的にベキ法則に従うことが観測された.打鍵の時間を支配していると考えられる要素(文字の読み取り,文字コードの取り出し,手の運動)について,そのいくつかがベキ法則に従って上達するとしたモデルをいくつか作成した.運動の上達のみに焦点をあて,個々の文字の打鍵,打鍵対,文字と文字組,を上達の対象とするそれぞれのモデルでは観測値を近似することができない.しかし,認知的な処理にも焦点をあてて,文字から打鍵列への引き出しをも要素とし,そこに短期記憶の介在を含めると,少ないパラメータで観測値を近似できることがわかった.さらに,そのパラメータのひとつが短期記憶の容量として知られている7±2とも一致する.また,このモデルを支持するような個々の打鍵の速度の推移データも観測されている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-15
著者
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