対数収束級数の漸近展開と加速法
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概要
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対数収束する級数の収束は大抵の場合遅いので,何らかの加速を必要とすることが多い.部分和S_nに対し漸近展開S_n-S_nr+1(1)が成立し,ベキ指数r+1と係数C_jが既知のときには,(1)を利用して収束の加速を行うことができる.本論文では,ある種の条件を満たす関数f(x)により第i項がf(i)と表される級数に対し,(1)の型の漸近展開の成立を示し,併せて(1)のベキ指数r+1と係数C_jを,f(x)の1/xに関する漸近展開のベキ指数と係数を用いて表す公式を与える.関数f(x)が公式の諸条件(LevinとSidiの意味でのA(r)族に属すなど)を満たしており,しかも1/xに関する漸近展開のベキ指数と係数が既知のときには,この公式に基づき対数収束級数の収束を加速することができる.本加速法が適用できる級数に対しては,これまでに知られているどの加速法よりも効率のよいことが数値実験により確かめられた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-03-15
著者
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