(34) 萎ちょうによるタバコ根の分泌物の変化と疫病菌に対する影響 (昭和46年度日本植物病理学会大会講演要旨)
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概要
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タバコ疫病菌(PhytoPhthoraparasiticavar.nicotianae)によるタバコ疫病の発生は,移植後降水量の少ない年にも多発することがあるので,本病発生要因の一つとして萎ちょうによる根からの分泌物量の変化と本菌遊走子に対する誘引現象について実験を行なった。霧栽培中のタバコ(品種,ヒックスほか2種)の噴霧を一時中断し萎ちょう処理をしたタバコ根と無処理の根とを採取し,源紙上で分泌物についてニンヒドリン反応,還元性物質についてアルゲンタフィン試薬による根の反応をみた。処理根はいずれの反応にも強く反応し,表皮細胞,根冠細胞のはく離も増加した。さらに本菌遊走子も処理根に対して局所的い集を示した。ヒックス(草丈,30cm)を用い,萎ちょう処理後噴霧を再開してから30分(81)の水耕液を採集し,アミノ酸,糖量について無処理と比較した。アミノ酸はその種類により異なったが,いずれも処理により増加し,糖は約3倍増加した。これらのことは畑におけるタバコの一時的萎ちょうは根の分泌物量,損傷の点から本菌厚膜胞子の発芽,遊走子の誘引に対して影響し,干ばつ年における本病多発の要因の一つと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1971-06-30
著者
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