いもち病抵抗性の遺伝 : 1. 戦捷×H-79およびイモチシラズ×H-79における抵抗性の遺伝

概要

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イネの抵抗力と病原菌の侵害力との差によって, いもち病抵抗反応は連続的に変動する。著者はgene-for-gene仮説をよりどころとしながら,植物の病害抵抗性を量的に理解することを試みた。戦捷×H-79に次のことを仮定する。1)菌糸, 研53-33, H-1およびH-2に対する抵抗性は不完全優性遺伝子Rb_1 ,Rb_2およびRb_3に支配される。2)各遺伝子は各菌糸にそれぞれ数値で示される抵抗効果を持つ。3)同一菌糸に対する抵抗効果は単純に加算的である。これによって27遺伝子型に推定抵抗指数が求められる(第4表)。F_2の観察分離比に適合するように, 遺伝子型のRおよびSが, 指数にしたがって判別される。Rb_lとla^+との組換値は5観察例のいずれにおいても9-10%でよく一致する。これは上記仮定の合理性を証明するものである。イモチシラズ×H-79のNaga 87に対する抵抗性はRb_4とRb_5との累積的抵抗作用に支配される。主要効果を持つRb_4はlaと連鎖関係にあり, その組換値は23%である。Rb_4, Rb_5はH-_1, H-_2に対して抵抗効果を持たないよに見うけられた。
日本植物病理学会の論文
1970-12-30