イネかさ枯病菌 Pseudomonas syringae pv. oryzae pv. nov. について
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概要
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イネの葉身にハローを伴う黄色で大型円形病斑を形成する病菌について, 細菌学的性質及び寄主範囲を検討した。本細菌はダラム陰性桿菌で極毛性, 普通寒天上で白色円形のコロニーを生じた。螢光色素を産生じ, グルコースを酸化的に分解し, 40Cで生育せず, 硝酸塩を還元しなかった。レバンを産生し, タバコ過敏感反応は陽性であったが, オキシダーゼ, アルギニンジヒドロラーゼ及びジャガイモ塊茎腐敗は陰性であった。スクロースより酸を生じ, 酒石酸を利用しなかった。これらの性質及び他の諸検査項目のほとんどは, Pseudomonas syringaeの性質に一致した。13科53種植物に無傷で噴霧接種し, 形成された病斑組織からの病菌再分離の有無に基づいて, 寄生範団を検討した結果, 本細菌はイネ, オオムギ, エンバク, インゲンにのみ病原性を有した。以上の結果に基づき, 本細菌をイネに病原性をもつ P. syringaeの新しい pathovarと認め, 学名 P. syringae pv. oryzae pv. nov.を提案した。病名はイネ科牧草の例にならい, かさ枯病と称することを提案する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1985-04-25
著者
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