Pseudomonas solanacearum Biovar II および IV 系統によるジャガイモ青枯病の発生と病原細菌の温度要求性
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概要
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長崎県内のジャガイモ栽培ほ場で秋作後期, 定期的に罹病植物体から Pseudomonas solanacearum を分離し, その biovar を調べた。分離した209菌株のうち37菌株は biovar II, 1菌株が biovar III, 171菌株は biovar IVであったが, 発病後期になるほど biovar II系統の分離比率が増加する傾向が認められた。静置培養条件下で両系統の増植を比較した結果, 16.5Cでは biovar IV系統に比べて biovar II系統の増殖が速かった。また, biovar IV系統の 35C, 4日間の増殖は24C, 7日問および16.5C, 14日間のそれに比較して良好であったのに対して, biovar II系統では16.5C, 14日間培養と35C, 4日間培養との間に増殖量の明瞭な差は認められなかった。なお, 接種試験による病徴発現までの潜伏期間も biovar II系統とbiovar IV系統の間には差異が認められなかった。P. solanacearumにはレース1のほか主にジャガイモを侵し, 低温でも病原性を示すレース3が存在し, かつ, レース3はbiovar IIに当ると報告されているが, 本試験で分離されたbiovar II系統は, 我国で未報告のレース3に相当するものと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1984-10-25
著者
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