野菜畑土壌の食菌性アメーバによる Rhizoctonia solani Kuhnの菌糸および菌核の穿孔
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概要
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四国の野菜畑土壌に4〜8週間理めておいた Rhizoctonia solaniの菌糸や菌核, または Cochliobolus miyabeanusの分生胞子の細胞壁に円形模様 (annular depression) および穿孔 (perforation) が多数親察された。その大きさは径1.0〜5.5μmで, 菌糸細胞または胞子当たり1〜7個形成された。糸状仮足を有し, 500μm以上にも広がる巨大アメーバが土壌から分離され, 土壌1g当たり2〜33個体であった。淡黄色, 球形〜楕円体のシストを形成し, 33.5(18.0-51.5)×40.1(18.0-85.0)μmであった。脱シスト時には, 膜に径2.0〜10.0μmの穴を10〜20個あけて栄養体が外に出る。大きな栄養体やシスト形成時には断裂により2分するのが見られた。栄養体は菌に到達後5〜20分で菌体を包み込み, 細胞壁に 1〜数個の穴をあけて食菌する。食菌時間は, R. solaniの菌糸で40〜90分, C. miyabeanusの分生胞子で60〜120分であった。以上のこのことから, このアメーバは, Dobellおよび Old and Darbyshireが報告した Arachnula impatiens Cienk.に酷似している。
- 日本植物病理学会の論文
- 1984-04-25
著者
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