台木用トマト KNVF および KVF 接ぎ木によるトマト萎ちょう病 (レース J3) の防除
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概要
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レース J3 によるトマト萎ちょう病とトマト褐色根腐病は, その外部病徴および発病環境が類似している。トマト褐色根腐病等複合抵抗性を有するトマト台木用品種 KNVF および KVF の両病害に対する抵抗性の差によって識別することができるか否かを検討する目的で本試験を実施した。罹病性対照品種 Walter, 福寿2号は両病原菌の単独および混合接種に対して顕著な根腐症状を呈したが, KNVF および KVF は両病害に対して同程度の高い抵抗性を示した。したがってこれら台木品種利用による両病害の識別は困難であった。福寿2号を穂木とした KNVF 接ぎ木トマトおよび白根福寿2号をトマト萎ちょう病菌レース J3接種土壌に定植した場合, 白根福寿2号の根部は顕著に腐敗し, 茎葉部萎ちょう株率も高率であったが, KNVF 接ぎ木苗では茎葉部萎ちょう株は全く認められず, 根部褐変程度も軽微であった。この結果からトマト萎ちょう病 (レース J3) の防除にトマト褐色根腐病と同様にこれら台木用品種を用いた接ぎ木栽培が有効であることが判明した。
- 1983-12-25
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