Rhizoctonia solaniによるキュウリ胚軸感染過程の微細構造
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概要
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キュウリ幼苗に, 本病菌のIII-A型分離菌を接種し, 25C連続光下に置き, 本菌によるキュウリ幼苗の感染過程の微細構造を観察した。接種12時間後には, 菌糸の胚軸表皮への接着が明らかに観察された。接種18時間後には, 感染座(infection cushion)が形成され, それと接触している胚軸表皮細胞は原形質分雛を起こした。感染座の基部の菌糸先端から生じた原侵入糸(primary penetration peg)の先端部には菌の細胞壁が存在せず, 多数の小胞からなる菌のロマゾーム様構造が宿主表皮細胞のクチクラ層に直接接していた。接種24時間後には, 各々の菌糸先端からの侵入糸によって同調的に表皮細胞壁が貫通された。各侵入糸による初期の侵入は, ほとんど表皮細胞縫合部から行われ, 侵入菌糸は胚軸のかなり内部の皮層柔組織まで達していた。侵入糸がクチクラ層を貫通すると, クチクラ層はクチクラ下細胞壁からはく離し, 表皮細胞壁は膨潤し, セルローズ繊維は層状化し, 分散し, 分解された。侵入を受けた表皮細胞や皮層柔組織細胞およびそれらの隣接細胞は著しく崩壊し, また, 原形質分離が見られた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1979-09-25
著者
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