非病原性 Fusarium oxysporum MT0062 によるトマト萎ちょう病およびナス半身萎ちょう病の生物防除
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
トマトの根から分離した Fusarium oxysporum MT0062 は, トマト萎ちょう病に対する発病抑制作用が認められ, 主要作物に対しては病原性を示さなかった。本菌は新たに確立した廃糖蜜, 砂糖および無機塩からなる液体培地により Bud cell を容易に産生し工業的大量培養が可能となった。F.oxysporum MT0062 の Bud cell をゼオライトに吸着させ, 育苗中のトマトの土壌表面に処理し, 0〜28日後にトマト萎ちょう病菌汚染土壌に定植したところ, 定植 7〜14日前に処理した場合に抑制効果が最大となった。トマト苗の根から分離される F.oxysporum の頻度は土壌表面処理後 7〜14日後に最大となり, その後は徐々に減少したが, この傾向は発病抑制作用の強弱と一致した。さらに, 温室内試験において病原菌汚染土壌に定植する 10日前および定植時の 2回処理を行うことによって, トマト萎ちょう病のほかナス半身萎ちょう病に対する防除効果が増高し, 本菌の生物防除への利用の可能性が示された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1992-04-25
著者
-
山口 健一
三井化学ライフサイエンス研究所
-
山口 健一
三井化学 ライフサイエンス研
-
高橋 正昌
Life Sciences Laboratory Mitsui Chemicals Inc.
-
高橋 正昌
三井東圧化化学ライフサイエンス研究所
-
山口 健一
三井東圧化学 (株) ライフサイエンス研究所
-
佐野 孝夫
三井東圧化学 (株) ライフサイエンス研究所
-
有田 政信
三井東圧化学 (株) ライフサイエンス研究所
-
有田 政信
三井東圧化学 (株) ライフサイエンス研究所:東京家政大学
-
高橋 正昌
三井東圧化化学ライフサイエンス研究所:(現)三井業際植物バイオ研究所
関連論文
- 16kDaアルブミンに対するアンチセンス遺伝子を導入した組換えイネの環境に対する安全性評価(II)
- 16kDaアルブミンに対するアンチセンス遺伝子を導入した組換えイネの環境に対する安全性評価(I)
- (164) 水田雑草クログワイに対する病原糸状菌の大量培養 (日本植物病理学会大会)
- (163) 水田雑草のヒエ属植物から分離される糸状菌とその除草活性 (日本植物病理学会大会)
- 生物防除に有効な非病原性フザリウム属菌 MT0062 株の殺菌剤感受性とそのベノミル耐性変異株の作出
- 植物病原菌の交配型遺伝子 分子生物学的検証, サトウキビ眼点病菌はなぜ有性世代をもたないか?
- (160) サトウキビ眼点病菌の交配型遺伝子の解析 (日本植物病理大会)
- 非病原性 Fusarium oxysporum MT0062 によるトマト萎ちょう病およびナス半身萎ちょう病の生物防除
- Fusarium oxysporum MT0062によるナス科作物の全身的な抵抗性の誘導
- (181) 非病原性Fusarium oxysporum MT-0062による土壌伝染病の生物防除 (平成2年度大会講演要旨)
- 26 画像解析を利用したハイブリッドライス玄米形のばらつき程度の検討
- 215 DNA-DNA再構成反応の光学的測定法による酵母DNAのゲノムサイズの決定
- 発光細菌の漁業への応用〔英文〕