生物防除に有効な非病原性フザリウム属菌 MT0062 株の殺菌剤感受性とそのベノミル耐性変異株の作出
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概要
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ナス科作物の萎ちょう病や半身萎ちょう病等の生物防除に有効な非病原性フザリウム属菌MT0062株について, 土壌伝染病の防除に用いられている数種殺菌剤に対する感受性をin vitroで調べた.キャプタン, クロロタロニル, ジクロフルアニド, フルトラニル, メプロニル, ペンシクロン, キントゼン, チウラム, トルクロホスメチル, バリダマイシンAのMT0062株に対するMICは何れも1000ppm以上であったが, ベノミル及びチオファネートメチルは各々1∿3ppm, 10∿30ppmの低濃度で菌糸伸長を完全に阻害した.非病原性フザリウム属菌MT0062を親株として紫外線照射法によってベノミル耐性変異株の作出を試みた結果, ベノミルを10ppm含むPDA培地上でも成長する変異株が得られた.ベノミル耐性変異株の中でBR11株は発病抑制作用を保持し, 予め接種した畑土壌で生育させたトマトの根からベノミルを含む選択培地上に再分離された.以上の結果から, 本変異株は, 生物防除に有効な非病原性フザリウム属菌の生態学的研究に利用しうる可能性が示された.
- 日本農薬学会の論文
- 1998-11-20
著者
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山口 健一
三井化学ライフサイエンス研究所
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山口 健一
三井化学 ライフサイエンス研
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福井 啓子
Life Sciences Laboratory Mitsui Chemicals Inc.
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高橋 正昌
Life Sciences Laboratory Mitsui Chemicals Inc.
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山口 健一
Life Sciences Laboratory, Mitsui Chemicals, Inc.
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高橋 正昌
三井東圧化化学ライフサイエンス研究所:(現)三井業際植物バイオ研究所
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