接ぎ木および自根トマトの青枯病菌による無病徴感染の条件
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概要
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青枯病感受性トマト品種ポンデローザ, 抵抗性台木品種LS-89, BF興津101の苗およびポンデローザとLS-89を台木あるいは穂木として組み合わせた接木苗に青枯病菌Pseudomonas solanacearumを断根接種した。抵抗性, 感受性品種とも萎凋症状を示さなかった苗の多くが無病徴感染していたことを接種14日目に茎からの病原細菌の検出により確認した。発病と無病徴感染を合わせた苗の頻度は, 接種時の苗齢が大きいほど, また, 接種源濃度あるいは接種後の苗の栽培温度が低いほど減少する傾向が認められた。LS-89は低温区 (昼25/夜20℃) においてほとんど発病せず20〜75%の苗が無病徴感染していた。青枯病菌5菌株に対しポンデローザ, LS-89の苗では菌株間における発病と無病徴感染を合わせた苗の割合に差はなかったが, BF興津101の苗では有意な差異が認められた。ポンデローザ台に接いだポンデローザとLS-89はほとんどすべてが萎凋した。一方, LS-89台に接いだポンデローザは60%萎凋したが, LS-89は病徴を示さなかった。この場合, LS-89の69%および萎凋を示さなかったポンデローザの35%は無病徴感染していた。以上の結果, 抵抗性台木に接いだ感受性穂木の発病は, 無病徴感染している台木からの病原細菌の移行により容易に生じることが示された。
- 1996-06-25